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不​在​の​存​在

by repair

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1.
飛び方も知らぬまま 空に放たれた鳥は 自由すぎて孤独だった 誰も知らないあの日の風を運びながら 雲路を抜けて 夜明けを告げにやってくる 翼を授かったばかりに 鳥は今日も空を飛ぶ ある昔、形なくなるその前に 鳥になる時間があると言われていた 鳥たちは今のこの時を掲げ 太陽に向かい目一杯に翼を広げる それは今ここに在るあかし 大空を飛ぶあの一羽の鳥もまた 目一杯に翼を広げ飛んでいる 不死鳥だとは知る由もなく… 文明を超えた鳥が空に一羽 あの鳥に消え行く音をたくした夜明け
2.
風の化身 02:49
どこかの風 あちらへ ひゅるり こちらへ ひゅるり どこへ行くの?とたずねてみても 答えはいつも一辺倒 「吹かれるだけさ」 そういえばあの日の風も同じような事を言っていた。 気付くと風はもういない そんな彼らが去った時 どんな形を与えるべきか どんな風に残すべきかと ある小説家は とどまらない風の伝え方を考えた ちっぽけな考え事だった 風に姿は与えられない 悩みに悩んで辿り着いた答えだった 遠回りの記憶のなかに風が走る あの日のジレンマも笑い飛ばすかの様に ひゅるりと走る あんな風になりたい つむじと共にひゅるりと吹かれ 少し上を飛んでいたい ずっとふわっとしていたい
3.
「雨の日なら なおさらよ。」 空想の渦は膨大だ。 想像力豊かな君は 黒の世界 も 白の世界 も どちらにも行けてしまう… どうしようか、この人生… 甘い言葉が輪郭を残し鳴り響く 粒立つピアノはお嫌いですか? 空へ飛ぶ出すような爽快感 はたまた 地中に根を張る安心感 どちらも捨てがたく、どちらも得難い 繰り返し降る雨は、不思議が同居していて 水たまりに影を落とす
4.
「そろそろ潮時よ。」 構える二人と 二面を行き交うピンポンの行方 円を描く様に相手の出方を見ている 赤と黒の攻防戦 回転をかけて引き起こる 混沌の中の魂胆と ラリーにうずまく積年の思い あの世とこの世の垣根を払い 黄昏れながら血走る情熱 それはまさに つめたく あたたかく 敵か見方か、シロかクロかもわからぬままに 「さぁ、共におどりつづけましょう」 いっそこの体が消えてなくなるまで たぎる鼓動は 人間臭く執念深く 人生謳歌といきましょう 「引き際だなんて言ってないわ。」 はじまりの潮時にスピンをかけろ
5.
かつての音は紙に記されやってきた その手に触れる事も出来ないままに 空席のピアノにいつかのぬくもりを そっとすくう 音の波紋に舟を浮かべ バルカロール(舟唄)はページをめくる 湖に沈む、かつての音楽は かすかに残る海の記憶もたどりながら 一隻の舟にたどりつく そして水は枯れて 草原となった 湖に放した紙切れ一枚… 紙切れ二枚… 不在の日々は音楽に変わる
6.
1つ、また1つと果実がはじけてゆく 心のゆらめき 木々のゆらめき 誰だってゆらいでしまう風がある 私だけの涙は 実は誰もが味わう味なのだ 残された果実は順番に赤く実を染めて 結ばれた糸の様に木々と共に揺れている 限られた時間で成熟を迎えた赤い実は 朽ちていつかの種となる そして実を宿し、また成熟を待つだろう けれども、この実は鳥に捧げようと思う
7.
とおくはなれて 名前も忘れた この感覚誰との思い出だったっけ… 人は思い出をたどる時、 ある森をくぐりぬけるらしい その名も くぐりの森 絡まる蔦は過去も未来も 全てを引き連れながら 広がっていた
8.
ある森の片隅に 降り積もった つめたくも あたたかな時間たち ここは沈没博物館 数多の"不成功"が水に浮かぶ 沈みゆく 長い沈黙 落下の時間 消えそうで、消えなかった欠片たち ここにないのに、残る ゆびの痛み どんどん遠く 沈んでゆく そんな様子を眺めながら 鼓膜を打った "耳うちのフーガ" 逃げ惑いながらも 引き連れ、追いかけ、走り続ける まるで、燃え続け、震えては散る 星屑のような音楽だった 遁走曲(フーガ)が導く、痛みの先へ 全ては混ざって、連なっていった 愛おしい時間(トキ)にも痛みはある かなしみ と よろこび おわりと はじまり 失くしては生まれて 埋めては、宿る レクイエム に マーチを 「こわれたら、はじまり」 そんな日々がこの森の片隅に 朽ち行く欠片がもたらすもの 今、私たちに 森屑降りて
9.
雲がひらけて 路がうまれる ここは鳥や月の通り路 見上げた雲から 見下ろす雲へ 幼い日のまなざしと 老人となった日のまなざし 同じだったら良いな  あのそらは とおく  つかめない く も  あのとりの ゆくさき  ゆめにみた そらへ  おおきく  描くんだ  チョークの ヒコーキ  かぜが さらってくさ  (と び た つ)  あ の そ ら へ  あのひみた そら  このときの 果てへ  このくもは あまく (とりたちと とぶそら)  ユメのなかに きえた (あの日のそらへ)

about

repair 5th CD album

credits

released September 21, 2019

trombone,illustaration,art work by Akira kusaka
piano,lyrics, composed by Yuka taniguchi

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all rights reserved

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repair Japan

絵と音と言葉のユニット。「リペア」。「こわれたら、はじまり。」をテーマに、クラシカルで静かな音楽は開放感と閉塞感の両面を持ち、つめたくあたたかい。絵とトロンボーンが日下明、ピアノと言葉が谷口有佳。

trombone,illustration,art works by Akira Kusaka

piano,text,composed by Yuka Taniguchi

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